インドネシア・バリ島にて勤務し、既に18年が過ぎようとしていますが、
昨今のインドネシアは、特に海外からの投資をより増やすべく投資に関係する様々な仕組みの改善を試みている状況を体感しています。
今回、身近なトピックで新たな取り組みは、、、というと、
【投資家ビザ】という新たなカテゴリーのビザではないかと思います。
今回は、【投資家ビザ】についてまとめたいと思います。
インドネシアの会社は大きく分けてPDMA(国内資本投資会社)とPMA(外国資本投資会社)に分かれますが、今回の【投資家ビザ】はPMAに対して適用されるビザです。現在PMAの最低払込資本金100億ルピア以上(約8,500万円)とされています。
2018年当初【投資家ビザ】は、インドネシアにて投資をした投資家の方に与えられたビザというだけで、特に就労が認められてませんでした。つまり、株主というポジションのみで、会社の役員(Director)(Commissary)のポジションに就くことはできませんでした。
<以下参照>
BKPM Regulation No. 6 Year 2018 OSS関係、Article 4 / Article 47 / Article 48 https://peraturan.bpk.go.id/Home/Details/168904/peraturan-bkpm-no-6-tahun-2018
その後、2019年に法の改正があり、【投資家ビザ】の保持者は就労が認められることとなりました、つまり、株主兼、会社の役員(Director)(Commissary)のポジションに就くことが可能となったという事です。
その際の規定は、以下の通りです。
- Director/Commissaryのポジションに就く【投資家ビザ】の保持者は、最低IDR 1、000,000,000以上の株式を保有する必要がある。
- 株主のポジションのみの【投資家ビザ】の保有者は、最低IDR 1,125,000,000以上の株式を保有する必要がある。
<以下参照>
BKPM Regulation No. 5、2019年 OSS関係Article 48
https://peraturan.bpk.go.id/Home/Details/168905/peraturan-bkpm-no-5-tahun-2019
その後、上記の規定は廃止され、新たに2021年にOSS RBAへの更新と併せて、以下の法律に置き換えられ、訪問ビザを保持者はDirector/Commissaryのポジションに就いた【投資家ビザ】への切り替えが可能となりました。
<以下参照>
BKPM Regulation No. 4 、2021年 OSS RBA関係Article 82 /83
https://peraturan.bpk.go.id/Home/Details/168903/peraturan-bkpm-no-4-tahun-2021
基本的には、この【投資家ビザ】が、他のビザと違う大きな点は、以下2つ。
- 1度の申請手続きで2年有効なビザが発給される。※一般的な就労ビザは1回の申請で1年の有効期限です。
- 通常就労KITAS保持者が必要な、<就労許可:RPTKA、Notification、DPKK(※) USD1200の支払い、RPTKA認証手続き>の手続が不要です。
(※)注釈: DPKKとは、インドネシア語では、Dana Pengembangan Keahlian dan Keterampilan 、外国人労働者利用補償金基金と訳されており、DPKK1200ドルの支払いが必要となり、また、DKPTKA(Dana Kompensasi Penggunaan Tenaga Kerja Asing )とも呼ばれています。 |
納税に関していえば、【投資家ビザ】は、一般的には、就労から得る利益に対する税金(PPh21)と株主として配当を受け取った場合の税金(PPh26)が必要となります。
現在、既にインドネシア国内に法人を設立され、このビザについて詳細の確認を希望される方、また既に取得されているが、本ビザについてご不明な点、ご質問のある方は、是非弊社日本語メール(yoshiko@vlobali.com)までお気軽にお問合せください。